塩酸バンコマイシンVCMのTDMの基準(2) [TDM]

1.TDM 実施のタイミングに続いて書かれているのが 2.TDM の目標値です。
ここでは、a~iまで、9項目について書かれています。
内容が多いので前半の4項目について考えます。

日本化学療法学会雑誌 VOL. 58 NO. 1から

Vancomycin のTherapeutic drug monitoring(TDM)実施に関する抗菌化学療法
 認定薬剤師制度認定委員会ならびに抗菌薬TDM 標準化ワーキングの見解

       2.TDM の目標値

a.MRSA におけるVCM 低感受性化を避けるために,トラフ値10μg/mL以上を維持する。
b.トラフ値20μg/mL以上は腎機能障害が高率となる。
c.腎毒性のある薬物の同時投与や高投与量でなければ,通常量の使用(1 g[15~20mg/kg]×2 回/日)では腎,耳毒性の可能性はきわめて少ないが,まれに脱水や全身状態悪化により予想外に高いトラフ値を呈することがあり,患者病態の変化に注意が必要である。
d.菌血症,心内膜炎,骨髄炎,髄膜炎,院内肺炎では,良好な臨床効果を得るためにはトラフ値15~20μg/mLが必要となることが多い。ただし臨床的重症度を考慮して目標トラフ値を決定する。

aはMICクリープのこともあるので、もちろんトラフ10μg/mL以上には必ず乗せるようにしています。トラフ10以下と言っていた時代もありましたが、どんどん上がってきています。

bについてもその通りですが、トラフ値15~20μg/mLにした場合でも腎毒性を示す場合もよく経験することなので、忍容性を見ながらの慎重さが必要です。透析患者で自尿の無い患者の場合にはトラフ値20μg/mL前後でコントロールしています。

cは時に経験しますが、輸液量や尿量などしっかり見ていても予想外の血中濃度となる場合もあります。患者病態の変化がみれるよう臨床力をつけることが薬剤師の大きな課題ですね。

dでは、良好な臨床効果を得るためにはトラフ値15~20μg/mLが必要となることが多いのはそうなのですが、上記いずれの疾患も4週間や6週間コースとなるので、忍容性によって大きく左右されます。
データが改善してきても投与量を下げるわけではないので、長期投与になるにつれ、血清クレアチニンが上昇したり、トラフ値もジワジワ上昇してくることも多く、定期的な血中濃度の確認が必要です。ビクビクしながら継続投与することもあります。

ここで、休憩。。
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