腎機能障害時のVCM投与法の目安 [塩酸バンコマイシン]

グリコペプチド系の抗菌薬はいずれも腎排泄性の高い薬剤です。

今回は透析患者における当院での基本的な投与法を紹介します。


透析患者のVCMの投与法の目安

塩酸バンコマイシン(VCM)
HD( High performance membrane を使用しているHD)
・初回1000mg投与(HD・非HD日に係わらず)
・2回目以降、透析後毎に500mg
・血中濃度評価は透析前濃度(トラフ値)を測定する
・透析後血中濃度測定は信頼性が低い(組織分布が落ち着くまでに2時間程度要するため)

上記、投与法を基本としています。この投与法により、トラフ値10-15μg/mLをキープできることが多いです。
そして、残存腎機能の有無がポイントになります。いずれにしても血中濃度測定による確認は必要です。

残存腎機能がある(自尿がある)場合には、透析前トラフ値を10-15μg/mLになるように調節します。しかし、腎機能の廃絶した(自尿の無い)場合には、トラフ値を考慮する必要は無く、トラフ値を20μg/mL前後になるようにしています。

血中濃度測定のタイミングは、投与3回目(1000mg・500mg投与後)あるいは4回目(1000mg・500mg・500mg投与後)の前に測定し、以後、1週間毎程度にしています。

その他の投与法として、1500mg週1回という方法もあります。この投与法でも良いのですが、day5~day6あたりの血中濃度は低い値で推移していることが予測されるため推奨していません。印象としてですが、血中濃度を揺らす方が効果が良いように感じています。

しかし、基本的に透析患者は免疫能が落ちていますし、糖尿病合併例が多いため、長期投与となる場合が多くなります。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。