感染性胃腸炎 ノロウイルス(2) [感染性胃腸炎]

ノロウイルスの治療
治療薬は基本的には無く対症療法です。脱水がひどい場合には輸液、嘔気にはナウゼリンのような制吐剤、あとは整腸剤でしょうか。熱発は軽度ですが、あればアセトアミノフェンあたりです。
まぁ、対症療法なので水分をしっかりと摂って、あとは安静とトイレの往復です。

ノロウイルスの感染対策
第一に手洗いで、洗浄効果で洗い流すことです。食品は加熱調理(85℃1分間以上が有効)です。特にノロウイルスによる食中毒を起こす可能性があるものとして、二枚貝(牡蠣や大アサリ、シジミ、ハマグリなど)が有名です。今の季節から牡蠣を食する機会も増えますが、私は牡蠣フライしか食べれません。。。

ノロウイルスの消毒法
手指:石鹸を用いて十分な手洗いが第一。一般的にエタノールはあまり効果がないとされているが、手洗い後に速乾性の手指消毒剤の使用で追加効果が期待できる。

食品:食品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱を行えば感染性は消失する。

調理台・調理器具:調理器具等は十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム0.02%(200ppm)で消毒する。また、まな板、包丁、食器、ふきん、タオル等は熱湯(消毒対象物が85℃1分以上になる条件)での加熱が有効とされる。哺乳びんにはミルトンというイメージがあると思います。

吐物・糞便:吐物・糞便の処理には使い捨てのマスクと手袋を着用し、汚染物のウイルスが飛び散らないように静かに拭き取る。床に付着した吐物・糞便は次亜塩素酸ナトリウム0.1%(1000ppm)で拭き取る。また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂いこれが口から侵入し感染することがあるので、吐物・糞便は乾燥させないことが感染防止に重要である。

リネン類:ベッドマット、毛布、およびシーツなどのリネン類の消毒は、85℃1分間以上の熱水洗濯が適している。ただし、熱水洗濯が行えない場合には、水洗後、次亜塩素酸ナトリウム0.02%(200ppm)の消毒が有効とされる。

環境:ドアノブなどの環境を介した感染も考えられ、トイレや風呂などを衛生的に保つことも要求される。消毒が必要な場合は次亜塩素酸ナトリウム0.02%(200ppm)を使用する。ただし、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性があるので、その後水拭きして除去するなどの配慮が必要となる。



ということで、とにかく key word は次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックス)なのでしょうが、その刺激性やにおいが嫌われるところです。以前、消毒薬の大家の講演を聞いたときに、そのような場合には、消毒用エタノールの二度拭きが有効と聞きました。ただし、しっかり乾燥という工程が必須のようです。
家庭では、気を付けても気を付けてもうつるのがノロウイルスというイメージがあります。子供が幼稚園の頃は時に集団感染を受け、持って帰ってくることがありました。私もしっかり頂きました(-_-;)
次亜塩素酸ナトリウムが家庭ですぐに手に入らなければ塩素系漂白剤(ハイター等)でもいいのでしょうが、お店での販売形態や保管状況によって含有量に差があるようです。
家にはウエルパスがありますが、職場では高コストのため、採用を中止しました。私は4人家族なので手は8つですが、職場は大所帯、手の数を考えたら気持ち悪くなるほど手があります。

そんな中、消毒薬メーカーの丸石製薬が新しい速乾性擦式手指消毒薬の宣伝に来ました。ウエルセプトという製剤で、添加物に有機酸(乳酸・クエン酸水和物・硫酸亜鉛水和物等)を含むことで消毒効果の増強がみられるというものです。これが良いのは分かっているのですが、ウエルパスと同じでやはりコストが問題です。。。

ウエルセプトは市販されていないのかなぁ?しかし、当院の納入価に比べて市販のウエルパスはさらに高かった・・・




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