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腎機能障害時のTEIC投与法の目安 [テイコプラニン]

TEICもグリコペプチド系の抗菌薬で腎排泄性の高い薬剤です。

今回も透析患者における当院での基本的な投与法を紹介します。


透析患者のTEICの投与法の目安

テイコプラニン(TEIC)
HD( High performance membrane を使用しているHD)

・初回負荷量16mg/kg(1回もしくは2回にわけて)
 次いで8mg/kg/dayを2回
 維持量6-8mg/kgを週2-3回HD後に投与

その他の報告例
・初回負荷量800mg,2・3日目は400mg,4日目以降は透析後に200mg又は5日毎に400mg投与
・初回負荷量800mg,5日目に400mg,10日目に400mg,以後は1週間おきに400mg
・重症敗血症には初回負荷量800mg,2・3・5日目に400mg,以後は1週間おきに400mg
・初回負荷量400mg,2・3日目は200mg量,4日目以降は5日毎に200mg投与するか1日量を1/5に減ずる。ただし、敗血症では初回負荷量800mg,2・3日目は400mg量,4日目以降は5日毎に400mg投与するか1日量を1/5に減ずる

参考:透析患者への投薬ガイドブック 改訂2版 2009


その他の報告例は、投与量不足となるのではないかと考えています。TEICの場合は、血中濃度を有効域に到達させるのにどうしても時間がかかるという欠点があるため、治療を急ぐ敗血症などには適さないと考えています。
正常腎機能では初日1200mg負荷や、800mgの2日間ローディングを行うような薬剤です。透析患者でも同様にしっかりローディングを行わないと治療不足となり、膿瘍形成など悲しい結果を招きます。VCMに比して腎機能障害のリスクもあまり無く、トラフ値が上昇しても肝障害のほうが多いように感じています。

いずれにしても、初期にしっかり投与し、あとは血中濃度を見ながら減量していく方向での微調節が良いように感じています。

当院では、使用頻度の少ない薬剤で、検査部の方針で血中濃度測定が外注となってしまいました。余計に使用しにくい抗MRSA薬となってしまいました。

透析患者への薬物投与量を考えるのには必携の一冊です。




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