Clostridium difficile 関連下痢症 (1) [Clostridium difficile]

抗菌薬が全身投与されると腸内の正常細菌叢が破綻し、Clostridium difficile 関連下痢症(Clostridium difficile-associated disease;CDAD )が起こる。

Clostridium difficile は、偏性嫌気性グラム陽性桿菌で芽胞を有しており、成人で2%、老人で10~20%、乳幼児では最大50%に無症候性の腸内菌叢集落を形成する。
※消化管保有率の報告はさまざま有り一定でない。

芽胞を形成することから各種消毒薬に抵抗性であり、環境表面に約5ヶ月は生存するとされている。

CDADは、抗菌薬の使用1~2週間後に下痢、発熱、腹痛を伴い、まれに1~2ヶ月後でも発症することがある。
CDADだけでなく、抗菌薬が全身投与された場合には腸内の正常細菌叢が破綻し、炭水化物の分解が障害され腸内の浸透圧上昇や水分の再吸収阻害により下痢を生じるため、抗菌薬使用下においては抗菌薬関連の下痢、とくにCDADに注意する必要がある。

また、CDAD発症の患者側のリスク因子には、入院期間の延長や高齢者、経管栄養の施行やH2受容体拮抗薬や抗菌薬の使用が考えられる。
CDAD発症のリスクは、ほとんどすべての抗菌薬が有しているが、リスクの大きさは抗菌薬により違いがある。

CDADの原因になりやすい抗菌薬
・セファロスポリン系(特に第2,第3世代)
・アンピシリン,アモキシシリン(その他のペニシリン)
・クリンダマイシン
・エリスロマイシンなどのマクロライド系
・テトラサイクリン系
・フルオロキノロン系
・ST合剤

CDADの原因となりにくい抗菌薬
・メトロニダゾール
・アムホテリシンB
・アミノグリコシド
・リファンピシン
・バンコマイシン
・サルファ剤
・β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン

CDAD発症の危険因子(まとめ)
1.抗菌薬の長期投与,大量投与,多種類投与(以前はクリンダマイシン,セフェム系が、近年ではフルオロキノロン)
2.長期入院
3.高齢者
4.制酸剤・H2ブロッカー投与
5.消化管手術
6.内視鏡検査
7.抗蠕動薬投与
8.その他:低アルブミン血症,抗がん剤の投与など

CDADは院内でも継続的に起こっていますが、やはり腹部外科領域でその発生頻度が高いようです。どの施設でも一定の傾向があるのではないかと思いますが、CDADの管理はまず取り組むべき重要な課題の一つだと考えています。






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